書評

芦田愛菜さん著『まなの本棚』は、忘れていた『本を読む楽しさ』を思い出す内容だった

まなの本棚表紙

芦田愛菜さん著『まなの本棚』を読みました。

感想を一言であらわすと『本を読む楽しさ』を思い出し、無性に本…特に小説が読みたくなりました。

本を読むことが好きな人でも、大人になって本を読む時間がなくなってしまったという人は多いでしょう。

でも、この本を読むことによって本を読む時間が生み出されるかもしれません。

なぜか。それはこの本の著者である芦田愛菜さんが本書を通して教えてくれている気がしました。

あなたも『まなの本棚』を読んで、本を読む楽しさを思い出してみませんか。

まなの本棚
芦田 愛菜 and 小学館

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『まなの本棚』はどんな内容か

『まなの本棚』は3章構成の内容となっています。

第1章では『語り出したら止まらない!芦田愛菜の読書愛』と題して、芦田愛菜さんの読書好きをうかがわせるエピソードが散りばめられています。

彼女にとって本を読むことは生活の一部に溶け込んでおり、寸暇を惜しんで読書している、そんな状況が伺い知れます。

学校でも読書の時間があったり、周りにも読書好きの友人がいたりそんな環境も彼女を読書好きにさせたのかなと感じました。

第1章を通じて感じたのは芦田愛菜さんはとてもバランスの良い考え方の持ち主であるということ。これも本を読むことによって培われたものなのかもしれません。

第2章では『本好きへの扉を開いた6冊』ということで幼少期から中学生くらいまでの間に芦田愛菜さん出会った本が6冊紹介されています。

彼女が本を読んで動いた気持ちが素直に描かれています。僕もこの6冊はぜひ読んでみたいと思わせるのに十分な内容でした。

第3章では『まなの本棚から84冊リスト』ということで怒涛の如く84冊!の本が紹介されています。本の紹介が続くと途中で眠くなって(失礼)しまいそうですが、そうはさせまいと、途中に2名の方との対談が挟まれています。

対談の1人目は芦田愛菜さんが尊敬するノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授。そしてもう1人は彼女が神様と仰ぐ作家の辻村深月さんです。

第3章の最後の方には、芦田愛菜さんが本の中に出てくる好きな登場人物を語っていて、彼女の理想のタイプや人物像がみえてきます。

それでは少しだけ、この本の中で語られている芦田愛菜さんのコメントを紹介します。

第1章で印象に残った芦田愛菜さんのコメント3選

本書は3章構成となっており、2章と3章は本の紹介がメインとなっています。

第1章では芦田愛菜さんの読書愛が特に感じられるコメントが記載されていたので3箇所だけ抜粋してみました。

小さい時に目にしていたものも少し成長してからよみかえしてみると、全然印象が変わっている——。そして、それも読書の楽しみが尽きないところじゃないかなって思うんです。ー著書『まなの本棚』より抜粋

これは僕にも経験があります。幼い頃に少し背伸びをして、難しい本を読んだりするとその時は理解できていなかった部分が大人になってからわかるようになることがあります。

その本に対して理解が深まることがある一方で、以前感動できていた部分が感動できなくなっている部分に気がつくこともあります。

本の内容は変わらないはずなのに、自分自身が常に変化していることを実感します。そんなところも芦田愛菜さんは楽しみとして捉えているのかもしれません。

 

中学生になってから、「すごい本に出会ってしまった……!」とドキドキしている本があります。
それが、村上春樹さんの『騎士団長殺し』(新潮社)です。ー著書『まなの本棚』より抜粋

僕はこれまで村上春樹さんの本を一冊も読んだことがなかったのですが、まずはこの『騎士団長殺し』から読んでみようかなと思いました。

この本が発売された当時、芦田愛菜さんは小学6年生で少し読むのを躊躇していたようです。最近になってたまたま図書館でこの本に再会し、読んでみたら見事にハマった。こんな流れを僕も体験することになるのかなと思いました。

話が急に飛んだりする部分は僕がかつてハマっていた赤川次郎の小説にもありますが、『騎士団長殺し』にもそんなところがあるようです。

芦田愛菜さんによれば「文字ならでは」のおもしろさが詰まっているそうで、読後は放心状態になったとか。彼女がこの本の紹介をする文面からも、村上春樹さんの作品がすごく気に入った様子が伝わってきました。

 

女子と男子では、物語に対する考え方とかおもしろいと思うポイントが違ったりすることもあるので、男子の意見を聞いて「なるほど。その言葉を、そうとるんだなぁ」「こういう視点もあるんだな」なんて感心することも多かったです。ー著書『まなの本棚』より抜粋

芦田愛菜さんの考え方はとても「バランスが良い」と感じることが多いのですが、それはこの本を読んでいても感じることができます。そしてそのバランスの良い考え方は読書によって培われた部分が少なくないのでしょう。

彼女の周りには読書のすきな子が多いらしく、読んだ本についてあれこれお話をしているそうです。なんて楽しそうなんだろうって思いました。

物語の捉え方が人によって違う、しかもそれはどうやら性別による部分もあるらしいという部分を発見した。それはもしかしたら彼女にとって、世界の秘密を知ってしまったかのような驚きがあったのかもしれません。

小説を読む楽しさを思いだす『まなの本棚』

僕は最近本の中でも「小説」というジャンルを読まなくなっていました。

『まなの本棚』では様々な本が紹介されていますが、紹介されている本はほとんどが小説です。芦田愛菜さんは本当に小説を読むのが好きなのでしょう。読んでいる間はその世界観にどっぷりとつかっているようです。

その楽しさは僕も経験したことがあるのでよくわかりました。その楽しさをこの本をきっかけに思いだすことができたのが大きな収穫です。読書は知的好奇心を満たすためのものだけではなく、純粋にエンターテイメントとして楽しむこともできる。そんなシンプルなことをいつのまにか忘れていました。

小説を読む贅沢な時間を生活にとりいれたい。本書を読んでそんな風に思いました。

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