台所排水桝の水漏れ修理、未経験の私でも水中セメントを使えば意外と簡単でした。
以前、工務店に依頼した際には高額な見積もりが出て驚きましたが、自分で手を動かすことでコストを大幅に削減できました。
今回はその体験を共有し、水中セメントを使用した排水桝の修理手順や効果について詳しくお伝えします。
排水桝の重要性と水中セメント修理の必要性
排水桝の役割と定期的なメンテナンスの重要性
排水桝の役割
- 台所排水の受け皿としての役割: 台所から流れ出る汚水や廃棄物を受け皿として機能します。食器洗いや調理時の水、または流し器からの汚水が排水桝を経由して排水管に流れます。
- 臭気や害虫の防止: 台所排水には食べ残しや油脂などが含まれ、これが長時間滞留すると臭気や害虫の発生源となり得ます。排水桝はこれらの問題を防ぐためのバリアとなります。
- 排水管の保護: 台所からの排水は比較的粘性が高く、排水桝を経由することで排水管が詰まりやすくなるリスクが低減されます。これにより、排水管の効率的な機能維持が図られます。
定期的なメンテナンスの重要性
- 詰まりの防止と排水効率の維持: 台所排水桝は食べかすや油脂、食品の残りなどが付着しやすいため、定期的な清掃が必要です。これにより、排水の円滑な流れが確保され、詰まりのリスクが軽減されます。
- 異臭の防止: 汚水が長時間滞留することで異臭が発生する可能性がありますが、定期的な清掃と消臭処理により、不快な臭気を防止します。
- 長寿命化と修理費用の節約: 定期的なメンテナンスにより、排水桝の耐久性が向上し、早期の修理や交換が不要になる場合があります。これにより、修理費用の節約が期待できます。
水中セメント修理のメリットと選択理由
水中セメント修理のメリット
- 即座に固化する特性
- 水中セメントは水中でも迅速に固化します。この特性により、修理が迅速に完了し、短時間で使用可能になります。特に排水桝のように常に水が流れている場所では、この特性が非常に重要です。
- 優れた耐久性と耐水性
- 水中セメントは高い耐久性と耐水性を持ちます。長期間にわたって水に浸されても劣化しにくく、排水桝のような過酷な環境でも信頼性があります。
- 接着力の高さ
- 水中セメントは、既存のコンクリートや石材に対して優れた接着力を発揮します。これにより、修理部分と既存の構造との一体化が図られ、強固な修理が可能です。
- 施工の簡便さ
- 特別な設備や技術を必要とせず、比較的簡単に施工が行えます。これにより、専門知識が少ない人でも手軽に修理ができ、コスト削減にもつながります。
- 環境への影響が少ない
- 水中セメントは、硬化後に環境に対する影響が少ないため、環境保護の観点からも優れています。
水中セメントを選択する理由
- 急速な修理が必要な場合
- 排水桝が壊れていると水の流れに問題が生じるため、迅速な修理が求められます。水中セメントの速乾性は、このニーズに適しています。
- 水が止められない環境での作業
- 排水桝のように常に水が流れている場所では、水を完全に止めることが難しい場合があります。水中セメントは水中でも使用できるため、このような環境に適しています。
- 長期間の耐久性を求める場合
- 排水桝の修理は頻繁に行いたくないため、一度修理したら長期間持続することが望まれます。水中セメントの高い耐久性は、この要求に応えます。
- コストと時間の削減
- 水中セメントの施工は比較的簡便であり、特別な技術や設備を必要としないため、コストと時間を削減できます。これにより、迅速かつ経済的な修理が可能です。
これらのメリットと選択理由により、水中セメントは排水桝の修理に非常に適した材料となっています。
排水桝の問題点と修理の必要性
これが台所につながっている排水桝の写真です。 排水桝内が経年劣化により穴が空いているためそこから流れ出た水により周りの土が流れ込み、排水桝の周りに空洞ができていました。
排水桝のフタをあけてみます。
少しわかりづらいですが、左の排水管の下には亀裂が入って穴が空いています。ここから出てきた排水が亀裂から外に漏れていました。
写真中央付近にもパックリ穴が空いているのが確認できます。
右の排水管は排水が出ていくところですがやはりまわりには亀裂が生じており、水が漏れていました。
放置しておくと家の土台が崩れてしまいそうで早急な修理が必要であると感じました。
水中セメントを使用した排水桝の修理手順
排水桝の清掃
水中セメントを塗る前の準備として、排水桝の清掃をします。
排水桝の中には水と一緒に周りから流れ込んだ泥や砂利が溜まっていました。まずこれをとりのぞきます。
その後排水桝の壁面をブラシで清掃します。
ブラシは近所のホームセンターで買ってきたブラシセットのうち、一番硬いステンレスのものを使いました。これで排水桝の壁面に開いた穴の回りをゴシゴシこすり汚れを落とします。
水中セメントの準備
今回使用した水中セメントは近所のホームセンター(ケーヨーデイツー)で購入しました。
Amazonでも買えます。このへんの防水セメント、止水セメント、水中モルタルという名称の製品でも良いと思います。
さて、いよいよ水中セメントをつくります。といっても水混ぜるだけなのでとても簡単です。
セメントを適当な容器(写真は植木鉢の受け皿です。本当にテキトー…)に出します。
硬化時間は本当に早いです。なので少しずつ作っては塗るのがおすすめです。
今回は一袋の1/4量(325g)にしました。
これに水道水75〜85ccを混ぜます。80ccくらいにしました。これを塗りコテで混ぜていきます。
塗りこてはケーヨーデイツーで買いました。500円くらいの安いもので充分です。
コテの大きさは迷いましたが、長さ15cmの小さめのものにしました。この大きさ、結果的に排水桝を塗る作業にはとり回しが良く正解でした。
塗りこてで水中セメントを塗る
塗りコテで水中セメントを塗っていきます。最初に穴の中にセメントを塗り込めてあとは穴の周りを何度も塗り伸ばす感じです。最初のうちは穴の中からセメントが戻ってくるのですが、それをコテで何回か押し込んでいるうちにすぐに硬化が始まって定着します。
結局325gの水中セメントで排水桝の壁の一つの面が塗れました。
同様にして残り二つの面を塗りました。
とにかく水中セメントは硬化が早いです。水と混ぜているうちにも少しずつ固まっていくのがわかる感じがします。
作業を始めたら一気に仕上げていましましょう。
水中セメントを乾燥(定着)させる
穴の空いていた排水桝の3面を塗り終わった直後の写真です。
硬化時間の目安は60分とあったので、そのくらいで少し触ってみたところ、完全に固くなっているところもあったのですが、穴の空いていた場所は少し柔らかい感じもありました。
夕方から作業を開始したため、そろそろ夕飯の準備をする時間であったのですが、念のためこの日は台所を使うのをあきらめ、水を流さないようにしました。
水中セメント修理の効果
翌朝の排水桝の写真です。
水中セメントが完全に硬化してカチコチになっていました。
試しに台所から水を流してみました。
台所からの排水が排水桝にたまり、やがて排水溝出口より水が流れ出ていきました。
しばらく水面を観察していましたが、排水溝出口以外のところへ水が流れ出ている様子もなく、修理は無事に完了しました。
排水溝の周りから流出した土は今後しばらく様子をみたあと、問題ないようであれば補充したいと思います。
排水溝の修理は未経験の私でも水中セメントを使うことによって割と簡単にできました。